株式型クラウドファンディング“GoAngel”を立ち上げて6ヶ月。お陰様で、これまで5社が合わせて9千万円超の資金調達に成功しました。
クラウドファンディングで株式を募集と言えば、個人投資家から資金を集めていると思われがちです。
しかし上場株だけでも3,650銘柄と魅力的な金融商品が溢れる我が国。非上場の中小企業の株式は、普通に考えれば、投資の選択肢に入りません。では、一体、誰がGoAngelで投資をしているのでしょうか。
文科省認可の私立小学校を運営する株式会社エデューレエルシーエー。GoAngelでは27百万円の調達に成功しました。国語以外の全科目をネイティブ講師が英語で教える授業が特徴のこの小学校。子ども達は休み時間に遊ぶときも英語です。教育理念は日本を世界に発信できる真の国際人を育てること。GoAngelで株主として参加した多くは、理念に共感する熱烈なファンのご父兄の方々でした。
一方、銀座で熟成鮨の専門店、鮨醇を運営する悟中株式会社。GoAngelでの16百万円の調達にあたり、株主として参加した多くは、このお店の常連のお客様でした。株主になったお客様にとっては、自分のお店のようなもの。株主優待や株主特別メニューなどの工夫で、これまで以上に友人知人を連れての来店頻度も向上。お店側からは、売上増の効果も大いに期待できます。
株式会社はそもそも株主が共同で出資をして事業を行うための仕組みです。いつのまにか株式投資というと、証券会社が勧誘する金融商品の株のイメージが強くなってしまいましたが、株主みんなの事業として、応援いただくのが本来の形。GoAngelは知らない投資家からお金を集める仕組みではなく、周りで応援している人に株主になっていただき、より力強く応援いただく仕組みなのです。この株主の集め方を「拡大縁故募集」と呼んでいます。
実は、私が、拡大縁故募集の概念により、株主を募る資金調達をお勧めしている最大の理由は、私の創業時の自らの経験にあります。
株式型クラウドファンディングの前身の仕組みグリーンシート市場の主幹事で圧倒的なシェアだったディー・ブレイン証券。その母体となる株式会社ディー・ブレインを設立した1993年に話は遡ります。中小企業の経営者が共通に悩む課題に直面した私を救った解決策。次回はその顛末からお話しを進めて参ります。
2018年4月
DAN ベンチャーキャピタル 株式会社
代表取締役 出縄 良人(公認会計士)
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